『LPS』は、
善玉コレステロール(HDL)を減らさず!
悪玉コレステロール(LDL)を減らす!
高脂血症を自然発症する二羽のウサギの片方に、「LPSを混ぜた飲み水」を、他方に「水だけ」を与えて観察した所、LPSを与えたウサギは、コレステロールの値が下がり続けた。
このとき、LDLの値は下がったが、HDLの値は下がらなかった。
脂質(脂肪)は、蛋白質・糖質と並ぶ3大栄養素で、主にコレステロールと中性脂肪に分かれます。 | ||||||||
コレステロールは、ホルモンの材料や細胞の膜になる不可欠な脂肪成分の一つです。 | ||||||||
中性脂肪は、主にエネルギーとして使われる脂肪成分です。 | ||||||||
しかし、いろいろな原因で、血液中にコレステロールや中性脂肪が過剰に増加・減少する状態を | ||||||||
脂質異常症と言います。動脈硬化など多くの病の原因となります。 | ||||||||
高コレステロール血症・低HDLコレステロール血症・高中性脂肪(トリグリセリド)血症の総称で、 | ||||||||
高コレステロール血症と高中性脂肪血症を高脂血症と言うことが有ります。 |
その後、LPSを飲むのを止め、水だけを与えたが、コレステロール値は、約1ヵ月の間、低い値を維持していた。
他の水だけを与えたウサギは、コレステロールの値は高い状態で変わらなかったが、三ヵ月後、LPSを混ぜた水を与えた所、前述のウサギと同じような経過を経て、コレステロール値が下がった。
『マクロファージ』は、血液中のコレステロールが酸化して『酸化LDL』になると、『異物』 【こちら】 と判断して 「貪食」 【こちら】 します。
このため、常に「マクロファージ」を活性化・元気にしておく必要が有ります。
*、「酸化LDL」は、血管に付着、プラークをつくり、血管を狭め血流を悪くします。
1、肉類・油物中心の食生活
2、暴飲暴食・喫煙・アルコールの飲みすぎ
3、糖尿病・甲状腺の機能低下などの病気や医薬品の副作用
4、高齢化
5、慢性的な運動不足
6、遺伝によるもの
*、栄養不良・肝障害などでコレステロールは低くなり、脳出血を起こすことがあります。
善玉コレステロール(HDL)・悪玉コレステロール(LDL)・中性脂肪は、みんな水に溶けないので、血液中を運ばれる時は、特殊なたんぱく質(アポ蛋白)に付着して運ばれます。
コレステロールや中性脂肪とアポ蛋白の結合したものをリポ蛋白と言います。
リポ蛋白には種類があり、比重によりVLDL(超低比重リポ蛋白)、LDL(低比重リポ蛋白)、HDL(高比重リポ蛋白)に分けられます。
コレステロールには、悪玉コレステロールと善玉コレステロールが有りますが、コレステロール自体に違いが有るのではなく、どのリポ蛋白と結びついて運ばれるかの違いです。
VLDLは、「中性脂肪」と結びつき、LDLと結びついたコレステロールを「悪玉コレステロール」、HDLと結びついたコレステロールを、「善玉コレステロール」と言います。
コレステロール(LDL)は、ホルモンや細胞膜の材料になり大変重要の物質ですが、血液中で余ったコレステロールは、酸化して「酸化LDL]となり血管壁や組織に取り込まれて蓄積しプラークを形成、動脈硬化などの原因となります(悪玉といわれる原因)。
HDLは、余ったコレステロールや、血管壁や組織に取り込まれたLDLを引き剥がし回収します(善玉といわれる原因)。
HDLコレステロールが極端に少ない「低HDLコレステロール血症」は、動脈硬化の原因になります。
LH比 LDL(悪玉コレステロール値)÷HDL(善玉コレステロール値)
ごく最近までは、総コレステロール値・LDL値が問題とされていたが、
「コレステロールや中性脂肪の値が高い人の方が、脳卒中を起こし難く、病後の回復も早い」という研究発表がなされ、総コレステロール値は余り重視されなくなった。
今重要視されているのが、 『 LH比= LDL÷HDL 』 です
・・・~1.9 良い状態
2.0~2.4 要注意 *、2.3 がベスト・・・NHK.ためしてガッテン
2.5~・・・ 危険
3.0 動脈硬化になる危険度は、正常なとき(2.0)の2倍
4.5 動脈硬化になる危険度は、正常なとき(2.0)の3倍
6.0 動脈硬化になる危険度は、正常なとき(2.0)の4.5倍
高血圧・糖尿病・喫煙でその危険性は、10~50倍になる。
*、HDL の計算
検査で、HDL値が表示されてないときの「HDL値」(概算値)の計算方法
HDL値(概算値)=総コレステロ-ル-LDL値-(中性脂肪値×0.2)
LDLが、肝臓でできたコレステローロを、体の必要な場所に運び、HDLが、余ったLDLや
血管に付着したLDLを回収して肝臓に戻す正常な働きをしている間は、問題は起きません。
余ったLDLが、血液中の「活性酸素」と結びつき、「酸化LDL」になったとき「危険因子」となります。
酸化LDLは、血管壁に付着しますが、HDLは酸化LDLを回収しないので、血管壁に溜まります。
通常は、「マクロファージ」が、異物と判断して「貪食」して掃除しますが、酸化LDLの量が多い
・マクロファージに元気が無いと処理しきれずに溜まり続け、プラークを形成、動脈硬化の原因
となります。
また、高血圧や糖尿病などによって血管に負担が掛かると、血管に傷がつきます。
血管の傷口から血管壁の中に入った酸化LDLは、マクロファージが血管壁の中に入り込み
貪食して処理しますが、血管壁の中から出ることができず、血管壁の中に「マクロファージ」の
死体やLDL・酸化LDLが粥状に溜まり、血管が膨れ動脈硬化が促進されます。
高血圧や糖尿病が、動脈硬化を促進する原因です。
*、酸化LDL値 MDA-LDL検査
45歳未満男性・55歳未満女性 正常値 46~82
45歳以上男性・55歳以上女性 正常値 61~105
*、普通の人のLDLの中には、酸化LDLが、0.1%程度含まれています。
*、中性脂肪比=中性脂肪値÷HDL値 正常< 2.0 <要注意
「酸化コレステロール」は、「酸化LDL」(血清コレステロール)とは、違った物質です。
食材を、焼いたり・揚げたり・電子レンジを使用・干したり(太陽光)したときに、「食材中のコレステロール」が酸化したものです。
動脈硬化の血管壁でよく見られ、「酸化LDL」と同じように動脈硬化の要因と考えられます。
日本人のコレステロール摂取量は急増、アメリカの摂取量を超えているので注意が必要!
脂質異常症は、症状がほとんどないので、気付かない。
血液検査で、初めて気付くことが多い。
◆高コレステロール血症 LDLコレステロール>140mg/dl
◆低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール<40mg/dl
◆高中性脂肪血症 中性脂肪>150mg/dl
血液がドロドロになって流れ難くなり、心臓への負担、脳への血流不足から、高血圧・糖尿病・動脈硬化・狭心症・脳梗塞・認知症などを発症する。
総コレステロール 220mg以上を「高コレステロール血症」とされてきましたが、
現在では、総コレステロールは重要視されず、概ね240mg以上を要注意としています。
重要視されているのは「LDL」値で、それも、「LH比」が特に重要視されています。
酸化LDL値は、まだ一般的では有りません。
最近は、コレステロールについての異論が多く、やや混乱している状況です。
食事療法
1、食べすぎをやめる。カロリーを適正に制限
一日の適正カロリー= 標準体重kgX活動量
標準体重= 身長(m)X身長(m)X22
活動量 = 軽い活動(事務職) 22~30、
中程度の活動 30~35、重労働 35~
2、動物性脂肪を少なく
動物性脂肪 飽和脂肪酸 LDLコレステロールを増やす・・1(望ましい率)
植物性脂肪 不飽和脂肪酸 コレステロールを下げる・・・・2(望ましい率)
血液をサラサラにする青魚(EPA・DHAを多く含む)や たまねぎを摂る
3、コレステロールを多く含む食品を食べない
バター・チーズ・卵・肉の脂身
4、食物繊維を多くとる
食物繊維が、コレステロールを吸着、腸からの吸収を抑え排泄する。
5、ビタミン・抗酸化食材を多く取る・・コレステロールの酸化を防ぐ
ビタミンC・Eやカロテノイド(リコピン・カロテン・・)を多く摂る
プチトマト・レモン・鮭の缶詰(アスタキサンチン)
6、アルコール類・ジュース類を控える
中性脂肪を増やす原因となる
7、免疫力を高める・・「マクロF]を飲用、免疫細胞「マクロファージ】を活性化・元気にする
運動療法
脂肪の燃焼効率を向上させる有酸素運動を継続的に取り入れる。
内臓脂肪を減らす。
薬物療法
医者の指示による薬物療法は必要ですが、薬物療法だけに頼ることは避ける。
「LDLも善玉」の考えから、LDLを下げるだけの薬物の投与を、控える動きがあります。